破産廃止【同時廃止、異時廃止、同意廃止】
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破産手続き廃止(破産廃止)とは、債権の清算前に破産手続きを終わらせることです。破産手続は、本来、破産債権者への配当によって終了するべきなのですが、配当するべき財産を持たず、その手続のための財産(費用)がない場合に適用されます。破産廃止には同時廃止と異時廃止、同意廃止があり、それぞれ解説します。破産廃止といっても自己破産が失敗に終わるという意味ではなく、破産手続を終了させるということですので誤解のないようにしてください。
・同時廃止
- 裁判所は、破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足すると認めるときは、破産手続開始の決定と同時に、破産手続廃止の決定をしなければならない(破産法216条第1項)。これを同時廃止(同時破産廃止)という。
- 前項の規定は、破産手続の費用を支弁するのに足りる金額の予納があった場合には、適用しない(破産法216条第2項)。
- 裁判所は、破産手続開始の決定と同時に破産手続廃止の決定をしたときは、直ちに、次に掲げる事項を公告し、かつ、これを破産者に通知しなければならない(破産法216条第3項)。
- 破産手続開始の決定の主文
- 破産手続廃止の決定の主文及び理由の要旨
- 第1項の規定による破産手続廃止の決定に対しては、即時抗告をすることができる(破産法216条第4項)。
- 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない(破産法216条第5項)。
- 第31条及び第32条の規定は、第1項の規定による破産手続廃止の決定を取り消す決定が確定した場合について準用する(破産法216条第6項)。
【解説】
破産者に財産がないと最初から明らかにわかっている場合は、破産宣告(破産手続開始決定)と同時に破産手続を終えてしまうということです。財産があれば破産管財人をつけて財産の調査、換価、処分などを行う必要があるので同時廃止は適当ではありません。財産がないことが明らかな破産手続の場合、そういった手間や費用は破産者にとって負担になるだけで何の意味も無いため、ありがたい制度です。
現実的には、財産があって自己破産申し立てを行うケースのほうが少ないため(10%未満)、ほとんどの方が同時廃止になります。※文中に出てくる「破産財団」とは破産者の財産、相続財産のことです。「破産財団」は破産管財人が管理、処分する権限を持っています。
・異時廃止
- 裁判所は、破産手続開始の決定があった後、破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足すると認めるときは、破産管財人の申立てにより又は職権で、破産手続廃止の決定をしなければならない(破産法第217条第1項前段)。これを異時廃止(異時破産廃止)という。
- 異時廃止の決定をなすには、裁判所は、債権者集会の期日において破産債権者の意見を聴かなければならない(破産法第217条第1項後段)。但し、 裁判所は、相当と認めるときは、債権者集会の期日における破産債権者の意見の聴取に代えて、書面によって破産債権者の意見を聴くことができる。この場合に おいては、当該意見の聴取を目的とする第135条第1項第2号又は第3号に掲げる者による同項の規定による債権者集会の招集の申立ては、することができな い(破産法第217条第2項)。
- 破産手続の費用を支弁するのに足りる金額の予納があった場合には、異時廃止にはしない(破産法第217条第3項)。
- 裁判所は、異時廃止の決定をしたときは、直ちに、その主文及び理由の要旨を公告し、かつ、その裁判書を破産者及び破産管財人に送達しなければならない(破産法第217条第4項)。
- 裁判所は、異時廃止の申立てを棄却する決定をしたときは、その裁判書を破産管財人に送達しなければならない。この場合においては、第10条第3項本文の規定は、適用しない(破産法第217条第5項)。
- 異時廃止の決定及び異時廃止の申立てを棄却する決定に対しては、即時抗告をすることができる(破産法第217条第6項)。
- 異時廃止の決定を取り消す決定が確定したときは、当該破産手続廃止の決定をした裁判所は、直ちに、その旨を公告しなければならない(破産法第217条第7項)。
- 異時廃止の決定は、確定しなければその効力を生じない(破産法第217条第8項)。
【解説】
異時廃止とは、「財産関係の調査の必要があるとされたが、配分する財産は結局無かったため破産手続の廃止をする」ということです。この場合、破産管財人の費用を負担する必要があり、廃止と同時に免責決定となります。費用が余分にかかるのと時間がかかるのがデメリットです。
・同意廃止
破産者は、①債権届出の期間内に届出をした破産債権者(まだ確定していない破産債権を有する破産債権者であって、裁判所の決定により その同意を得ることを要しないとされたものを除く。)全員の同意を得たとき、又は②同意をしない破産債権者がいる場合に当該破産債権者に対して裁判所が相 当と認める担保を供しているとき(但し破産財団から担保を供した場合は、他の届出をした破産債権者(まだ確定していない破産債権を有する破産債権者であって、裁判所の決定によりその同意を得ることを要しないとされたものを除く。)の同意を得ているときに限る。)は、破産廃止の申立てがあれば裁判所は破産廃止決定をしなければならない(破産法第218条第1項)。これを同意廃止という。
法人である破産者が同意廃止の申立てをするには、当該破産者が社団法人である場合には定款の変更に関する規定に従い、財団法人である場合には主務官庁等の認可を得て、あらかじめ、当該法人を継続する手続をしなければならない(破産法第219条第1項、2項、3項)。
裁判所は、同意廃止の申立てがあったときは、その旨を公告しなければならない(破産法第218条第3項)。
届出をした破産債権者は、同意廃止の申立てがあった旨の公告が効力を生じた日から起算して2週間以内に、裁判所に対し、同意廃止の申立てについて意見を述べることができる(破産法第218条第4項)。
裁判所は、同意廃止の申立てによる破産手続廃止決定をしたときは、直ちにその主文及び理由の要旨を公告し、かつその裁判書を破産者及び破産管財人に 送達しなければならない。棄却した場合には、その裁判書を破産者に送達しなければならない。この破産手続廃止決定、棄却の決定に対しては即時抗告ができる。破産手続廃止決定を取り消す決定が確定したときは、破産裁判所はその旨を直ちに公告しなければならない(破産法第218条第4項)。
破産手続廃止の決定は確定しないとその効力は生じない(破産法第218条第4項)。
【解説】
同時廃止と異時廃止は、債権者に配当する財産を持たず、破産手続の費用をまかなうのに不足している場合に行われますが、同意廃止は破産債権者の同意によって破産手続を終了させることをいいます。
※一部記事をウィキペディアより引用しました。
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